2009 Fiscal Year Annual Research Report
微生物群集のデザイン化による高効率型廃水処理技術の開発
Project/Area Number |
21681009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
惣田 訓 Osaka University, 工学研究科, 准教授 (30322176)
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Keywords | 活性汚泥 / 微生物群集 / プラスミド |
Research Abstract |
難分解性化学物質の分解遺伝子をコードしたプラスミドを活性汚泥細菌群に伝播させ、分解能を増強させるplasmid-mediated bioaugmentation(プラスミドオーグメンテーション)という手法が提案されている。本研究では、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)の部分分解遺伝子をコードする自己伝達性プラスミドpJP4^<1)>をSequencing Batch Reactor (SBR)に植種し、その実証実験を行った。実容積200ml、24時間サイクルのSBRを作成し、2,4-D(200mg/l)を添加した肉エキス・ペプトン主体の合成下水の処理を行った。SBRにプラスミドpJP4のdonorとして、2、4-Dを単一炭素源として資化できないE. coli HB101 (pJP4)および2,4-D資化能を有するC. necator JMP134(pJP4)をそれぞれ導入することで、系Hおよび系Jを構築した。同時にdonorを植種しない対照系(系C)も作成した。試験開始3日目までは、系Cおよび系Hでは2、4-Dの分解率は約10%であった。一方、系Jでは2,4-Dの完全分解が確認されたが、3~7日目には約15~23%にまで分解率が低下した。これは2,4-D分解菌であるC。 necator JMP 134(pJP4)の生存数が減少したためであると考えられた。その後、pJP4を保持するdonorを添加した系Hおよび系Jにおいては、12日目から2、4-D分解率の上昇が確認され、16日目以降には2,4-Dが完全に分解された。この要因として、系Jではdonor数の回復に加え、2,4-Dを分解できるtransconjugant数が増加したことにより分解が促進されたものと考えられた。一方、系HではE. coli HB101(pJP4)の染色体上のtbpA遺伝子は導入後に著しく減少したが、プラスミドpJP4上のtfdB遺伝子は7日目以降に5×10^5 CFU-eq/mL以上で存在していたことから、土着微生物群に対してプラスミドpJP4が伝播することにより、2,4-D分解菌が増加し、分解能が増強されたものと考えられた。
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Research Products
(2 results)