2009 Fiscal Year Annual Research Report
もみ殻と炭素繊維端材に由来する軽量高強度なエコ複合材料
Project/Area Number |
21681011
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
熊谷 誠治 Akita Prefectural University, システム科学技術学部, 准教授 (00363739)
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Keywords | バイオマス / 複合材料・物性 / 廃棄物再資源化 / もみ殻 / 炭素繊維 / 機械的強度 / 摩擦・摩耗 / 硬さ |
Research Abstract |
本研究では、炭素繊維端材を微切断する技術を確立し、微切断炭素繊維の長さ、籾殻粉末に対するその添加量、加熱圧縮成形条件などの製造条件とエコ複合材料の力学特性の関係を明らかにする。さらには、エコ複合材料の破壊および摩耗挙動、さらに優れた力学特性の発現機構を解明する。 本年度は、粉砕機および切断機の運転条件を調整することにより、平均長さ0.06、0.24、0.36、1mmの切断炭素繊維を準備した。籾殻粉末に対して、切断炭素繊維を0-60mass%添加して、特殊なホットプレス処理を行った。しかしながら、添加量40mass%以上では安定した成形は困難であった。また、平均長さが1mmの切断炭素繊維を用いた場合、複合体表面が毛羽立った上、籾殻由来の母材との接着も不十分であった。 平均長さ0.06、0.24、0.36mmの微切断炭素繊維を、平均粒径15μmの籾殻粉末に0-30mass%の範囲で添加し、ポストプレス温度を300、400、500、1000℃の条件を選択し、エコ複合材料を製造した。そして、それらの圧縮破壊強度と表面硬度を評価した。炭素繊維の平均長さが0.24mm、炭素繊維添加量が10mass%、ポストプレス温度が300℃の条件において、最大の圧縮破壊強度120MPaが得られた。ポストプレス温度が高くなると、逆に圧縮破壊強度は低下した。籾殻由来の母材の熱収縮・結合が、炭素繊維自体に阻害され、材料内にクラックが発生したことが原因と考えた。また、エコ複合材料の籾殻に由来する母材部分のビッカース硬さは、炭素繊維の影響を受けず、ポストプレス温度の上昇に従い、増加した。ポストプレス温度が1000℃の時、200を超えるビッカース硬さが得られた。 エコ複合材料の製造方法の最適化により、少量ではあるが安定した品質の試作品を企業等に供給できるレベルまでに至り、企業との連携を進められる段階に至った。
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Research Products
(10 results)