2010 Fiscal Year Annual Research Report
もみ殻と炭素繊維端材に由来する軽量高強度なエコ複合材料
Project/Area Number |
21681011
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
熊谷 誠治 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (00363739)
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Keywords | バイオマス / 複合材料・物性 / 廃棄物再資源化 / もみ殻 / 炭素繊維 / 機械的強度 / 摩擦・摩耗 / 硬さ |
Research Abstract |
本研究の目的は、炭素繊維端材を微切断する技術を確立し、微切断炭素繊維ともみ殻から構成されるエコ複合材料の製造条件と力学特性の関係を明らかにすることである。さらに、その優れた力学特性の発現機構を明らかにすることである。本年度は、「エコ複合材料の摩擦摩耗特性評価技術の確立」と「エコ複合材料の力学特性に及ぼす炭素繊維の添加量および切断長の影響の解明」に関する研究を実施した。 エコ複合材料の摺動距離と動摩擦係数の関係、さらには比摩耗量を的確に得られる試験条件存探索した。そして、炭素繊維の添加量およびポストプレス温度の異なるエコ複合材料の摩擦摩耗特性を評価した。ポストプレス温度が300、500℃と低い場合、炭素繊維の添加はエコ複合材料の摩擦摩耗特性を向上させるに効果的であった。しかし、ポストプレス温度が800、1000℃と高温になると、摩擦摩耗特に対する炭素繊維添加の効果は失われた。また、エコ複合材料の力学特性に及ぼす炭素繊維の長さおよび添加量の影響についても調査した。平均長さ0.06、0.24、0.36、1mmの炭素繊維を、平均粒径15μmの籾殼粉末に0-30 mass%の範囲で添加し、ポストプレス温度か300、500、800、1000℃の条件において、エコ複合材料を製造し、その力学特性を評価した。優れた力学特性を得るに最適な炭素繊維の長さは、0.24mmであることか明らかにした。炭素繊維の添加量およびポストプレス温度については、求める力学特性(圧縮強度、摩擦係数、硬さ等)によって最適値が存在することが示唆された。 以上のように、エコ複合材料の製造万法および力学特性の評価技術のおおよそ確立に至り、企業との連携体制を構築できるに至った。
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