2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体電気化学界面を反応場としたナノ構造形成の探索
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21681012
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉本 惣一郎 Kumamoto University, 大学院・先導機構, 特任助教 (30323067)
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Keywords | 表面・界面物性 / 走査型プローブ顕微鏡 / 自己組織化 / ナノ材料 |
Research Abstract |
本研究課題では,単結晶電気化学に基づいた電気化学走査型トンネル顕微鏡(EC-STM)を用いたその場観察により,種々のイオン液体の電気化学界面における電極表面構造,特異吸着イオンの吸着構造の原子・分子レベル解明を進めるとともにイオン液体ならではの広い電位窓を利用したナノ構造の形成を目標にして平成21年度から取り組み始めた.初年度の平成21年度は,イオン液体中での電気化学STMを可能とするためのセットアップに重きを置いて機器の導入,設置を進めた.導入した装置の組み合わせとしてはメーカーとしても初めての組み合わせだったため,導入直後にプログラム上のバグを始めいくつかの問題点が浮上し,これらの解決にしばらく時間を要したが,21年度後半には少なくとも水溶液系の電気化学STMでの測定が可能になった.一方で,種々のイオン液体の中から広い電位窓を有する組み合わせ,あるいは特異吸着が予想されるイオン液体について,単結晶金電極を用いた電気化学測定を進めた.どの系にも共通していた問題が系内の水の影響である.微量の水分が電極反応に著しく影響を及ぼし,水の電気分解反応により電位窓を狭める結果となった.とりわけハロゲン化物イオンを含む塩,硫酸水素イオンを含む塩は水への溶解性も高いことから,厳密な脱水環境下で測定をおこなうことが重要であることが示された.またイオン液体のカチオンのアルキル鎖長にも着目して電位窓へ及ぼす影響について調査を行った.アルキル鎖が長くなるにつれて電位窓が広がる傾向が見られ,系の安定性に関与していることが示された.さらに,水溶液系と同じくイオン液体の電極反応は単結晶の原子配列にも依存し,電気化学測定によってカチオンの電位窓に及ぼすアルキル鎖長依存性,アニオンの相違による特異吸着現象,単結晶電極の原子配列依存性など水溶液系との類似点と相違点が明らかとなった.
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Research Products
(2 results)