2010 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体電気化学界面を反応場としたナノ構造形成の探索
Project/Area Number |
21681012
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉本 惣一郎 熊本大学, 大学院・先導機構, 特任助教 (30323067)
|
Keywords | 表面・界面物性 / 走査型プロープ顕微鏡 / 自己組織化 / ナノ材料 |
Research Abstract |
本研究では,イオン液体の電気化学挙動の基礎的観点からカチオン,アニオン種の吸着現象の理解,イオン液体が持つ広い電位窓を利用したナノ構造体形成について探索・解明することを目指し,より高レベルな脱水環境を達成するために気密性の高いグローブボックスと脱水・脱酸素を促進するガス循環精製装置を導入するために装置の改良,接続部位の増設に集中的な投資を行い,与えられた条件で最高の測定環境の確立に努めた.本年度は疎水性カチオンのアルキル鎖に依存した電位窓の測定など,脱水環境下でのより厳密な電気化学測定を行い,単結晶面依存性などを含めたアニオン種の電位窓に与える影響について解明を進めた.アルキルイミダゾリウムカチオンを含むイオン液体は,アニオンとの組み合わせによっては理想的な脱水環境(10 ppm以下)では4Vを超える電位窓を示し,そのアルキル鎖長が長くなるに従って電位窓がネガティブ側にシフトする傾向が見られた.一方,各ボルタモグラムを注意深く解析すると,電流値が極小になる電気二重層領域が存在し,この領域はカチオンのアルキル鎖長が短いほど広くなった. このように,イオン液体の電位窓は水の影響を極力排除することより電位窓が広くなるだけでなく,電気二重層領域が約2V近く得られること,カチオンのアルキル鎖長やAu単結晶の原子配列の違いに大きく依存することが明らかとなった.
|
Research Products
(3 results)