2009 Fiscal Year Annual Research Report
セルオートマトンに基づく大規模パラレル有機演算素子の研究
Project/Area Number |
21681015
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
BANDYOPADHYAY A 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, 研究員 (40469763)
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Keywords | nano brain / Cellular automaton / Unconventional computing / molecular machine / Multi-level logic / molecular computing / parallel processing / Robotics |
Research Abstract |
本研究の目的はナノブレインを開発することである。ナノブレインとは、脳の動作原理を模して大規模並列計算を行うコンピュータである。ナノブレインを用いて、現代社会における以下三つの大きな課題を解決したいと考えている。(1)環境中にあるエネルギーを利用することで、ほぼ電力費無しで動作する機械制御系の実現。(2)脳機能を付加することで、様々な環境変化に対応できるロボットの実現。(3)これまでのコンピュータでは有限時間内に解くことのできない問題を計算する大規模計算機の実現。 本プロジェクトの一年目ではプロジェクトの基礎となる部分を構築した。具体的には、小さな有機分子を用いたニューラルネットワークを世界で始めて実現し、脳の演算プロセスを説明するために分子配列を利用することが有用であることを実証した(APL-2009)。しかし、ニューロンネットワークをエンコードするために必要不可欠な分子内の原子配列等の情報が不足していた。そこで、この点に重きをおいて実験を進め、そのパラメータを特定した(PCCP-2010,cover article)。これらの実験結果を基に、ナノブレイン開発最終目標までのロードマップを作成した(IJNMC-2009)。ここには、上記三つの課題解泱のための方法が系統的に書かれている。 これら得られた結果の中で最も大切なことは、我々のプロトコルを用いることで、ニューロンネットワークを模した分子を自在にデザインできることである。特にエンコードするプログラミングを必要としないので、これは人工知能分野において革命をもたらすだろう。これは、通常のプログラミングと異なり、意志決定は環境の変化にしたがって変化するためである。
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Research Products
(10 results)