2010 Fiscal Year Annual Research Report
セルオートマトンに基づく大規模パラレル有機演算素子の研究
Project/Area Number |
21681015
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
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Keywords | nano brain / Cellular automaton / Unconventional computing / molecular machine / Multi-level logic / molecular computing / parallel processing / Robotics |
Research Abstract |
本プロジェクトの二年目では、脳の様に動作する分子回路を世界で始めて実現した(Nature Physics 2010)。この発見により、ナノブレインの基礎部分を構築することができた。分子回路はこれまでのコンピュータでは解くことのできない問題を解くことができる。また、電力消費が革命的に小さい。通常のコンピュータ回路では多くて7から8個の選択肢の中を行き来して処理を行うが、分子回路では天文学的に大きい10の24乗もの選択肢の間を行き来して処理を行う。さらに、本回路は神経細胞の様に自己修復機能を有している。セルオートマトンの分野において我々の論文は大きなブレークスルーだと考えられている、なぜなら本システムでは大規模化を考えた際大きな問題が無いからである。我々の発見前は、ただ一つの細胞配列しか存在せず、回路化に関するコンセプトは無かった。我々はこの分子配列コンピュータを用いていくつかの問題を解いた。演算時間は6分間であるが、現在のスーパーコンピュータではこの問題を有限時間内に解くことはできない。 二年目で得られた成果は非常に多面的である。コンピュータ、ロボット、人工知能の分野において大きなパラダイムシフトをもたらすだろう。我々はフォンノイマンの夢をその40年後に達成したといえる。
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Research Products
(7 results)