2009 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の動態と化学反応の同時計測可能な高速原子間力・蛍光顕微鏡の開発
Project/Area Number |
21681017
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
内橋 貴之 Kanazawa University, 数物科学系, 准教授 (30326300)
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Keywords | 1分子イメージング / ナノ計測 / ナノプローブ / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度は、光学顕微鏡に搭載可能な高速AFMの要素技術を開発し、プロトタイプの製作とイメージングテストを行った。AFMと蛍光顕微鏡の同一視野観察を実現するためにはAFMに必要なカンチレバーの変位検出系をコンパクトにし、蛍光顕微鏡の光学系と干渉しないようにすることが必須である。現在の高速AFMでは幅1μm、長さ10μm程度の微小カンチレバーにレーザー光を反射させるために、光学顕微鏡用の対物レンズを用いて集光している。一方、試料ステージの裏面には高さ制御用のZ圧電体があるので、蛍光顕微鏡用の照明および検出用の光路を確保できない。この問題を克服するために、従来の試料を走査する方式からティップ走査型のスタンドアロン方式へAFMの動作機構を変更した。カンチレバーの動きにレーザー光の光路を追従させるために、ティップ走査用のピエゾに並列に光学レンズを搭載したピエゾを取り付け、光軸トラッキングを行った。これにより光軸を一定に保ったままティップを走査することが出来るようになった。また、高速AFM全体の設計を見直し、光学顕微鏡に搭載できるようAFM本体の小型化を実現した。 上記の設計により試作した高速AFMイメージングを行ったところ、イメージングは行えるが、予定していたイメージングレートを得られないことが判明した。これは、カンチレバーホルダーと試料との間に挟まれたある水によるダンピング効果によるZ圧電体変位の位相遅れによるものであると考えられ、カンチレバーホルダーの形状を再検討する必要があることが分かった。 来年度は高速AFMイメージング可能なように早急に問題を解決した後に、蛍光顕微鏡との同一視野観察の試験を行っていく予定である。
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