2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21681021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
千葉 大地 Kyoto University, 化学研究所, 助教 (10505241)
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Keywords | スピンデバイス / 磁化制御 / 電界効果 / 磁気メモリ / 磁気異方性 |
Research Abstract |
平成21年度は主に強磁性半導体(Ga,Mn)Asの磁性の電界制御に関連する諸論文の発行と、各種招待講演によって研究内容を外部に幅広く報告することができた。本年度得られた具体的な成果としては、下記の項目が挙げられる。まず、電気二重層キャパシタ構造を用いることにより、従来より一桁低い駆動電圧により(Ga,Mn)Asの強磁性転移温度をコントロールすることに成功した。本成果はApplied Physics Lettersに掲載された。また、電界を用いて正孔濃度を精密に制御することで強磁性転移温度と正孔濃度の関係について理論との比較を詳しく行った。これにより、(Ga,Mn)Asの強磁性の発現機構についての知見を深めた(Physical Review Bに掲載)。電界で(Ga,Mn)Asの伝導率を制御することにより、磁化方向の情報を知る上で重要な異常ホール効果の物理に迫ることができた。これについてはPhysical Review Lettersに掲載され、The 14th International Conference on Modulated Semiconductor Structuresで報告を行った。電界による磁化スイッチングの条件を知るために行ったシミュレーションの結果に関してもInternational Conference on Magnetismにて報告し、Advances in Magnetic NanostructuresやThe 18th International Conference on Electronic Properties of Two-Dimensional Systemsなどにおいても招待講演によって電界による磁化スイッチングの重要性について世界中の研究者へ報告することができた。
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