2011 Fiscal Year Annual Research Report
安全なコンクリート補強のための光ファイバセンサによる剥離検知技術に関する研究開発
Project/Area Number |
21681023
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Research Institution | 鹿島建設株式会社技術研究所 |
Principal Investigator |
今井 道男 鹿島建設株式会社 技術研究所, 先端メカトロニクスグループ, 主任研究員 (20399702)
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Keywords | モニタリング / 構造工学・地震光学 / 長寿命化 / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
光ファイバセンサを用いたコンクリート補強モニタリング技術のさらなる展開を目的に,今までとは異なるセンサ設置手法を実験的に検証した。そのために,炭素繊維シートで補強された鉄筋コンクリート試験体(幅600×桁高600×長さ5,500mm)の4点曲げ試験に,光ファイバひずみセンサを適用した。センサの設置は,コンクリート表面に光ファイバセンサを仮固定した後,炭素繊維シートを付着させるための接着剤を利用して,シート施工とともに光ファイバセンサと試験体を一体化させる手法を採用した。非常に容易で施工性に優れている反面,シート密着のための脱泡ローラー作業の際にセンサに側圧がかかる点に注意が必要であることがわかった。曲げ試験では,試験体への荷重を段階的に増やしながら,ひずみゲージや変位計の計測とともに,光ファイバセンサによるひずみ分布計測を行った。その結果,試験体に生じた繊維シート破断を局所的なひずみ変化として捉えることができた。試験体の破壊モードがシート破断先行型であり,試験中にシート剥離は生じなかったが,光ファイバひずみセンサが異なる破壊モードに対しても有効であり,破壊モードの推定が可能であることが確認された。一方で,一部区間で光ファイバセンサの計測結果が不調であったため,設置手法には一部改善の余地があると考える。本実験を通じて,補強工とセンサ設置工を同時に行う本手法の一定の実用性が確認できたため,昨年度までに試作,検証した光ファイバセンサ織り込み済みシートの付着によるセンサ設置手法と合わせて,コンクリート補強のモニタリング手法の選択肢が広がったものとして意義がある。
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