2009 Fiscal Year Annual Research Report
希少食肉目動物の実践的保全にむけた繁殖生理の解明と繁殖生態調査法の確立
Project/Area Number |
21681029
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
楠田 哲士 Gifu University, 応用生物科学部, 助教 (20507628)
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Keywords | 糞中ホルモン / 食肉目 / 希少種 / 繁殖 / 繁殖生理 / 内分泌 / ステロイドホルモン / 保全 |
Research Abstract |
希少食肉目動物の飼育下個体が排泄した糞を用いて,糞中の性ステロイドホルモン代謝物の有効な定量法を確立することを目的として,糞中のプロジェステロン代謝物およびエストロジェン代謝物の同定を行った。1.クマ科3種とネコ科7種の飼育下個体から,糞を定期的に採取保存し,繁殖生理の解明に必要な試料を収集した。2.チーターとツシマヤマネコにおいて,高速液体クロマトグラフィーと酵素免疫測定法を併用した方法により,糞中の性ステロイドホルモン代謝物の同定を行った。チーターの妊娠期の糞中には,いくつかプロジェステロン抗体免疫反応性ピークが検出され,このうちの3種を5α-pregnan-3α/β-ol-20-one, 5α-pregnan-3,20-dioneと同定し,他に5β-pregnan-3α/β-ol-20-oneのわずかな免疫反応性も認められた。妊娠の前・中・後期の間で,これらの糞中プレグナンの構成に明らかな違いは認められなかった。また,ツシマヤマネコの妊娠期の糞中にも同様に,5α-pregnan-3α/β-ol-20-oneと5α-pregnan-3,20-dioneが検出された。両種の糞中には,非代謝型のプロジェステロンはほとんど存在しなかった。両種の糞中エストロジェンとして,主に3種の物質が検出でき,このうち2種はestradiol-17βとestroneであり,estradiol-17βが主要排泄型であることが明らかとなった。3.チーターとツシマヤマネコの糞を用いた非侵襲的内分泌モニタリングにおいて,卵胞活動を調べる場合には糞中estradiol-17βを定量する方法,卵巣黄体活動や妊娠のモニタリングには,5α系のプレグナンと高い交叉性を示す抗体を用いた定量法が有効であることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] チーターのブリーディングローンが繁殖機能に与える影響2009
Author(s)
足立樹, 中川千穂, 川井ひとみ, 奥田龍太, 芹沢昭一, 石川達也, 茂木朋美, 谷口敦, 清水泰輔, 近藤奈津子, 松井由紀子, 吉原正人, 池辺祐介, 佐藤梓, 楠田哲士, 土井守
Organizer
第17回希少動物人工繁殖研究会議
Place of Presentation
姫路キャッスルホテル(兵庫県)
Year and Date
2009-06-12
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[Presentation] チーターの短期相互ブリーディングローンの試み(第2段)2009
Author(s)
奥田龍太, 芹沢昭一, 石川達也, 茂木朋美, 清水泰輔, 近藤奈津子, 吉原正人, 谷口敦, 松井由希子, 足立樹, 中川千穂, 楠田哲士, 土井守.
Organizer
第17回希少動物人工繁殖研究会議
Place of Presentation
姫路キャッスルホテル(兵庫県)
Year and Date
2009-06-11