2009 Fiscal Year Annual Research Report
ろう者の人間開発に資する応用言語人類学的研究:アフリカ諸国の手話言語と社会の比較
Project/Area Number |
21682005
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
亀井 伸孝 Tokyo University of Foreign Studies, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (50388724)
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Keywords | ろう者 / 人間開発 / 言語人類学 / アフリカ / 手話言語 / コートジボワール / データベース |
Research Abstract |
本研究は「ろう者における人間開発」というこれまでにない新しい課題に、文化人類学、とりわけ人間社会と言語の動態に関心を寄せる言語人類学の観点から挑戦するものである。本研究では、ろう者と手話言語に関する調査がなされていない西・中部アフリカ諸国を対象とする。それぞれの地域のろう者コミュニティの概要を、言語、文化、歴史、政策、社会的地位の各側面について明らかにし、手話映像データを含む民族誌を作成するとともに、インターネット上に公開している世界の手話とろう者に関するデータベースを通じて、資料を公表する。あわせて、それぞれの地域のろう者コミュニティが抱えた諸課題を明らかにし、その人間開発を検討する上で必要な政策や開発援助のあり方についての提言を行う。さらに、これら諸国の調査データを比較検討することを通して、共通性を導くとともに、広く世界の開発途上国に関するろう者における開発のモデルを提唱することを目的とする。 今年度のおもな成果は、以下の通りである。 (1)コートジボワール共和国において、文化人類学的なフィールドワークを行い、現地のろう者コミュニティの概要を明らかにするとともに、手話言語研究の予備調査を行った。 (2)査読付き論文2件を含む、雑誌論文5件により、成果公開を行った。 (3)単著1冊を含む、図書6件により、成果公開を行った。 (4)アフリカ言語学会議(ドイツ)における英語発表、ココディ大学(コートジボワール)におけるフランス語発表と、2回の国際会議において成果の発表を行った。 (5)1回の招待講演を含む、6回の国内学会において、成果の発表を行った。 (6)東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所において、インターネット上のデータベース「アジア・アフリカ手話言語情報室」を開設し、整備を進めた。 (7)アフリカろう者の人間開発に関する英文書の刊行準備を進めた。 以上
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