2011 Fiscal Year Annual Research Report
ろう者の人間開発に資する応用言語人類学的研究:アフリカ諸国の手話言語と社会の比較
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21682005
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
亀井 伸孝 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (50388724)
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Keywords | アフリカ / ろう者 / 手話言語 / 人間開発 / トーゴ / データベース / アジア・アフリカ手話言語情報室 / 手話辞典 |
Research Abstract |
本研究は「ろう者における人間開発」という新しい課題に、文化人類学、とりわけ人間社会と言語の動態に関心を寄せる言語人類学の観点から挑戦するものである。本研究では、ろう者と手話言語に関する調査がなされていない西・中部アフリカ諸国を対象とする。それぞれの地域のろう者コミュニティの概要を、言語、文化、歴史、政策、社会的地位の各側面について明らかにし、手話映像データを含む民族誌を作成するとともに、インターネット上に公開している世界の手話とろう者に関するデータベースを通じて、資料を公表する。あわせて、それぞれの地域のろう者コミュニティが抱えた諸課題を明らかにし、その人間開発を検討する上で必要な政策や開発援助のあり方についての提言を行う。さらに、これら諸国の調査データを比較検討することを通して、共通性を導くとともに、広く世界の開発途上国に関するろう者における開発のモデルを提唱することを目的とする。 今年度のおもな成果は、以下の通りである。 (1)トーゴ共和国のろう者と手話言語について、世界で初めて実態調査を行った。 (2)雑誌論文1件により、成果公開を行った。 (3)図書1件により、成果公開を行った。 (4)国内学会において、4件の成果発表を行った。 (5)東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・情報資源利用研究センター(IRC)の研究プロジェクトとして、インターネット上のデータベース「アジア・アフリカ手話言語情報室」の整備・拡充を進めた。 (6)手話辞典の刊行準備およびアフリカろう者の人間開発に関する英文書の刊行準備を進めた。 以上
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トーゴ共和国における世界で初めての現地調査の実施を通じて、人類学的に重要な知見が得られた。また、ウェブ上のデータベースの構築事業に関しても、順調に拡充されている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、アフリカ現地調査を中心に研究を進め、国内外の媒体および学会で成果の公開を行う。
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