2009 Fiscal Year Annual Research Report
観光・移住・メディアがもたらす地域イメージと文化変容に関する社会学的研究
Project/Area Number |
21683004
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
多田 治 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 准教授 (80318740)
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Keywords | 沖縄 / イメージ / 観光 / メディア / グローバル化 / 景観 / 移動 / ローカル |
Research Abstract |
2009年6月に韓国で沖縄映画のシンポジウム報告があり、準備を行った。約70本の映画から「6類型プラス2」の沖縄イメージを抽出し、特徴や変遷を記述した。観光・移住のテーマ・目線も含まれ、重要な示唆が得られた。シンポでも韓国の研究者と意見交換を行えた。また、平成20年度まで学生と行った沖縄・八重山諸島での観光・移住調査の報告をまとめた。4月の暫定版報告書をもとに、7月に国際シンポジウムでセッション「観光と環境、文化と自然の社会学」を行った。8月には自分の調査報告「八重山の観光と環境・文化・景観」を執筆して8月版報告書に所収、ウェブで公開、関係者に報告した。観光と移住、地元民と移住者、観光と環境、文化と自然など、概念上は区別される諸要素が、実際には多様に結びつく実態を見出せた。9月には石垣島・西表島・竹富島で追加調査を行い、現地の観光従事者に島の現状・歴史を直接確認できた。9~10月、量的データをもとに論文「ショッピングモール・沖縄イメージと生活感覚」を書き、郊外化と観光の観点から地域イメージの形成を、数量的に検証・考察できた。 10月から、私は自身の沖縄・観光研究を、グローバルな文脈に位置づける必要を自覚し、グローバル化の研究基盤を形成し始めた。環境・資源・南北格差・金融・戦争・メディア等の問題群が複雑にからみあうグローバル化を、よりトータルに把握する視座を形成できた。世界・アメリカとの関係に沖縄を位置づけ、1~2月に論文「沖縄と平和-軍事大国アメリカとどう向き合うか」を書けたのは大きい。普天間基地移設報道と映画論の知見は、一般誌のテーマ連載「メディアと沖縄イメージ」に書く機会を得て、広く世に問えた。 2010年3月にはイギリスへ出張し、ロンドンと湖水地方で、観光・風景等の資料収集を行い、比較の視点が得られた。ロンドン大学で研究成果報告を行い、意見・情報交換を行えた。
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