2009 Fiscal Year Annual Research Report
子どもにわかる小学校理科授業に必要な教師の実践力研究-物質・エネルギーを中心に-
Project/Area Number |
21683009
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
吉田 安規良 University of the Ryukyus, 教育学部, 准教授 (30381198)
|
Keywords | 理科 / 小学校 / 教師教育 / 実験技能 |
Research Abstract |
1 理科との関連が強い生活科の授業の力量・実践力の向上をめざし、生活科の指導法に関する科目で、社会教育施設を利用した授業づくりを実践した。受講学生全員が「授業づくりに役立つ」と肯定的な評価をするなど、全ての観点で概ね肯定的な評価を得た。 2 小学校での化学実験準備を題材にした教員免許状更新講習(予備講習)の試験結果から「理科に関する素養」を分析・検討した。濃塩酸や過酸化水素水の希釈調製の計算問題では、試験直前に演習で求め方を再確認しているにもかかわらず立式すらできていなかった。単純に教師用指導書に最適な濃度を記述しても、実験に必要な量を検討したり、適切な濃度にするための計算することができないため、実験そのものを行わなかったり、安全に実験できないことが予想できる。 3 日本人学校教員へ「大学で学びたかったこと」「理科の教材研究・授業実践で苦労したこと」を主体とした聞き取り調査を実施した。その結果、「大学で学ぶ目的をしっかりと持たせる」ことや、「学校現場や現職教員からの学び」から現代的な課題を学ぶ機会と、「理科の学習を構成する知識・理解や技能等」を授業実践などの具体例を通してなるべく多く身につけることが重要であるという意見があった。一方、「明日の授業ですぐ使える」ものだけでなく、身の丈にあった形や、子どもの実態であったり学校をとりまく環境に応じて授業をアレンジできる能力を身につけることも求められた。 4 小学校理科の指導法に関する科目で、教科書教材実験を追体験させることを取り入れた。とりくみそのものについては肯定的な評価を受講学生から得たが、時間の割に課題の量が多すぎるという意見も得た。 5 小学校6年生を対象にコンデンサーを取り入れた授業実践を行い、授業者に求められる素養を検証した。児童だけではなく授業者も充電池との違いを十分認識できていないなど教師用指導書等で補足すべき事項がある。
|