2011 Fiscal Year Annual Research Report
特異点を持つシンプレクティック多様体上のラグランジアンファイブレーションの構造
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21684001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松下 大介 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (90333591)
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Keywords | シンプレクティック / ラグランジアン |
Research Abstract |
本年度は研究実施計画で記述した3つの項目のうち,アーベル多様体をファイバーに持つ多様体の極小モデルの構成について考察するなかで,有理的なラグランジアンファイブレーションに結果を得た.シンプレクティック多様体からの正則でない有理射で,一般ファイバーがコンパクトであり,さらにそれがラグランジアン部分多様体になっているようなものを考える.このような状況で底空間の豊富な直線束の引き戻しを定義し,その数値的な性質を調べたところ,常に数値的に有効であることを示すことが出来た.応用として,ラグランジアンファイブレーションが2つあり,それらの底空間と元の空間の間同士に双有理変換が存在してファイブレーションと可換であったとする,このとき,底空間の間の双有理変換は同型写像となること,またBeauville教授によって提唱された問題,既約シンプレクティック多様体が複素トーラスと同型なラグランジアン部分多様体を含むとき,ラグランジアンファイブレーションが存在するか,について最終的な解答を与えることが出来た.以上の結果については現段階でpreprintが完成している.残り2つの項目については残念ながら予定どうりには進行しなかったが,双対ファイブレーションの構成については,その前段階となるsemi stable reductionと呼ばれる状態まで,はじめに与えられたアーベル多様体のファイブレーションが還元出来ることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年1月に脳膿瘍という病気でおおよそ二ヶ月近く入院,その前後の体調不良で研究が出来なかった.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの三年間の研究で当初の研究目標である,ラグランジアンファイブレーションの構造および新たな例の組織的な構成についてはすくなくとも証明のアイディアの形では得ることができている.が,得られた結果を論文の形でまとめる過程に遅れが目立っているため,最終年度はこの部分に力を入れて実行する.
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Research Products
(2 results)