2011 Fiscal Year Annual Research Report
グラフ彩色問題に関するグラフ構造解析と高速アルゴリズムの解析
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21684002
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
河原林 健一 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (40361159)
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Keywords | グラフ / グラフ彩色 / 平面グラフ / グラフマイナー / グラフ細分 / 多項式時間 / アルゴリズム |
Research Abstract |
グラフ彩色問題とは、頂点と辺からなるグラフの点を彩色する際,互いに隣接しあう点同士を異なる色に彩色するには何色が必要となるか?という問題である.当問題は、ネットワーク(グラフ)の分割や巨大なグラフの解析する上で必要不可欠な理論であることが古くから指摘されているが,計算理論の視点ではNP困難のクラスに属し、一般的にはグラフの入力に対して,多項式時間で解くのは非常に困難であると言われている.さらに近年では多項式時間での近似さえ難しいことが指摘されている.これはグラフ理論における非常に難解な予想,例えばHadwiger予想やTutteのFlow予想等のほとんどがグラフ彩色問題に関連していることからも明らかである.本研究者は、平成23年度、グラフ細分に関して閉じているグラフに関するグラフ彩色問題に取り組み、多くの知見を得た。具体的には、Kt(すなわちt点の完全グラフ)塗細分として含まないグラフ上でのグラフ彩色問題に取り組んだ。その中でも得られた主定理は、このようなグラフは、tの2乗色を彩色数として必要とするかもしれないが、アルゴリズム的には、彩色数+3t色のグラフ彩色を、多項式時間で得られることを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度に行った研究は、広範囲にわたってインパクトを与えたから。具体的には、数学(離散数学)のトップジャーナルへの掲載、理論計算機分野におけるトップ国際会議、トップジャーナルへの掲載があげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度と同様に、数学面(離散数学、グラフ理論)と、アルゴリズム面の両方の視点から、研究を推進し、今後も両分野にインパクトを与える研究を続けていきたい。またグラフ彩色はオペレーションリサーチ分野にも関連しているので、この分野にも参入できるような研究も遂行したいと考えている。
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