2011 Fiscal Year Annual Research Report
非線形分散型方程式の対称性と特異性による解の構造の研究
Project/Area Number |
21684003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高岡 秀夫 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (10322794)
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Keywords | 非線形波動 / 初期値問題 / 適切性 / 大域存在 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、1次元周期境界値条件における非線形シュレディンガー方程式について、正規分布データを含む滑らかさの低いデータの関数空間における初期値問題の適切性、及びその時間大域可解性について調べた。正規分布のデータに対しては、微分方程式の取り扱いで強力な縮小写像の原理を用いた適切性の証明法が成り立たないことは知られていたが、その時間局所解の存在定理における結果は昨年度得ることができていた。本年度は、昨年度の結果をさらに改良し、時間局所解の一意性定理と解の時間大域存在を構成することができた。技術的には、非線形項による非線形相互作用によって引き起こされる自己共鳴現象がもたらす、弱い分散性をもつ特異性がどのように時間発展するかを評価する必要がある。一意性の証明は、正規分布データの関数空間を考慮した初期値に付加条件の下、昨年度発見した評価式に加えて、ある安定性評価を構成することで示すことができた。時間大域解の存在に関する解析では、時間局所解で考察した特異性を時間大域的に評価する必要がある。証明においては、有限次元関数空間モデルを構成、及び正規分布データに対すて強力な不変測度から時間大域的評価式を得た。有限次元関数空間と本来の無限次元関数空間とを保管する解析が困難であったが、時間局所解の存在証明におけるエネルギー評価法を改良し、誤差評価をこめた摂動評価式を構成することによって解析することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画については、目的の結果を得ることができ順調に遂行したが、研究成果をまとめる作業は年度を越えてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更はない。研究成果の取りまとめることを迅速に遂行する。
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