Research Abstract |
本研究では,これまでの実験を上回る精度で,微小距離での重力の逆二乗則の検証を行い,余剰次元に対する実験的な知見を得ることを目的とする.そのために,超伝導体を用いた捩れ振り子,レーザー干渉計を用いた精密測定装置と,精密なソースマス駆動による微小重力場変動部等を開発し,測定を行う. 初年度である平成21年度は,レーザー干渉計,超電導磁気浮上システムなどの実験に必要な要素の基礎特性実験とその組み上げを行った.レーザー干渉計としては,Nd:YAGレーザーを光源とし,真空槽内の一体型定盤上にマイケルソン干渉計を構成することで,低ドリフトな微小計測を実現した.また,超電導磁気浮上システムの評価では,浮上力やダンピング係数の測定を行い,テストマス設計のための基本テータを取得した.また,これらを組み合わせることにより,真空槽に収められたテストマスを超電導により浮上させ,その微小回転変動をレーザー干渉計で測定する,という一連の実験装置を完成させた.その後,性能の向上実験を進め,別の装置でこれまで得られていた感度と同等の性能が実現された.また,テストマス・ソースマスの形状や駆動方式のシミュレーションを行い,その方式を決定した.その結果,ニュートン重力場成分をキャンセルすることで高精度の測定を行う構成を採用した.以上により,微小距離での重力法則の検証実験の準備が整ったと言える.
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