2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21684014
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
井岡 邦仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80402759)
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Keywords | ガンマ線バースト / 宇宙線 / 反粒子(陽電子・反陽子) / 高エネルギー / 超新星 / パルサー / 偏光 |
Research Abstract |
宇宙最大の爆発である謎のガンマ線バースト(GRB)に関係する以下の研究を行った。 1.反粒子宇宙線の起源:2009年にPAMELA衛星が高エネルギー(10-100GeV領域)の反粒子宇宙線(特に陽電子)の超過を発見し、起源がダークマターなのか高エネルギー天体なのかで大問題になっている。我々はGRBやパルサーなどの高エネルギー天体を考え、宇宙線のスペクトルにあらわれるピークの幅から天体の寿命が推定でき、天体同定に有用であることを示した。また、超新星爆発(ハドロン)起源説も提唱し、このモデルでは100GeV以上に反陽子宇宙線の超過があらわれることを世界に先駆けて示した。 2.GRB残骸:銀河内で起こったGRBは超新星残骸に似たGRB残骸を残す。我々はGRB残骸の高エネルギースペクトル(特にTeVガンマ線)を計算し、他波長の対応天体がはっきりしない謎の未同定TeV天体として観測されている可能性を提唱した。 3.GRBからの高エネルギー放射:GRBの残光におけるGeV-TeVの高エネルギーガンマ線放射を計算し、よく分かっていないGRBの開始時間に制限をつけられることを示した。予想されるGeV-TeV放射の遅延がFermi衛星によって発見されたGeV遅延である可能性を議論した。 4.GRBの偏光:GRBの偏光、特にその統計的な性質が、GRBの放射領域における磁場の構造やGRBの放射機構によって異なることを示し、これらを探ることができることを示した。
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