2009 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙高精度ガンマ線撮像観測に向けた半導体撮像検出器の開発研究
Project/Area Number |
21684015
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
渡辺 伸 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 助教 (60446599)
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Keywords | 宇宙物理 / 放射線、X線、粒子線 / X線ガンマ線天文学 / ガンマ線撮像 / CdTe半導体検出器 |
Research Abstract |
本研究では、ラインガンマ線の高精度な撮像、集光観測に向けて、高い位置分解能とエネルギー分解能を持った半導体検出器の開発、研究を行っている。本年度は、まず、ストリップ間隔60μm、ストリップ数128のCdTe両面ストリップ検出器の試作に取り組んだ。CdTe半導体は、もろく柔らかいため、シリコンストリップ検出器で適用できるワイヤーボンディング技術が使えず、ストリップ電極と読み出しLSIの接続に工夫が必要である。すでに開発済みのストリップ間隔400μmの検出器では、貫通導線と配線を持ったセラミック基板と我々がCdTeピクセル検出器向けに開発した金バンプ接合技術を組み合わせ、さらにセラミック基板にワイヤーボンディングすることで、この接続を実現。ていた。しかし、60μm間隔では、セラミック基板上に形成することが可能な配線の幅、間隔に限界のため、新たな素材での基板開発を行い、その基板による金バンプ接合技術を確立した。新たな試作検出器の製作を現在、行っており、平成22年度に、測定実験を行う。また、ストリップ間隔400μmのCdTe半導体両面ストリップ検出器の測定実験を行う中で、CdTe半導体両面ストリップ検出器ならでは、検出器応答を発見した。そして、CdTe半導体内でのキャリアの移動と両面ストリップ電極への誘導電荷の振る舞いを模擬できるシミュレーションコードを開発し、その検出器応答を再現できるようになった。今後、このコードを利用し、様々なストリップ間隔の検出器での応答を調べ、電極パラメータの最適化、データ処理方法の開発を行っていく。
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