2012 Fiscal Year Annual Research Report
高対称強相関f電子系における高次多極子ダイナミクス
Project/Area Number |
21684018
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
桑原 慶太郎 茨城大学, 理工学研究科, 准教授 (90315747)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 充填スクッテルダイト / 希土類へキサボライド / アクチナイド |
Research Abstract |
J-PARCにおいて、(1)希土類へキサボライドの非弾性中性子散乱、(2)充填スクッテルダイトの非弾性中性子散乱、(3)粉末中性子回折による磁気構造解析、を行った。(1)(Ce,La)B6の磁気八極子秩序相の多極子の揺らぎを調べるため、3He冷凍機を用いた極低温での中性子散乱実験を行えるよう周辺設備の準備を進めてきた。オフラインでの冷却試験では最低温度0.3Kを達成できていたが、中性子散乱真空槽に設置した状態の冷却では3Heガスを液化できないトラブルが起こり、当初の目的である極低温での実験を実施することが残念ながらできていない。しかし、今後の研究につながる常磁性相での予備データは得ることができた。今後3He冷凍機の真空層を新たに設計する予定である。(2)Smの熱中性子吸収の影響を小さくするため高エネルギー中性子を用いた実験を行った。通常のSm系に比べて多重項間のエネルギー差が小さいことを示唆する微弱な信号が観測された。(3)J-PARCでの粉末中性子回折実験では磁気構造解析についてのソフトウェア開発が当面遅れる見込みのため、典型的な反強磁性体の粉末中性子回折実験のデータについて、海外の中性子散乱施設で使用されているソフトを用いて磁気構造解析を行った。ほぼ期待通りの解析結果が得られており、今後スクッテルダイト等の他の物質に適用していく予定である。 フランスILLにおいて、URu2Si2のRh置換系のパルス強磁場中性子回折実験を行い、長らく未解明であったこの系の磁場誘起秩序相の磁気構造を決定した。この研究は東北大金研、ILL、LNCMIとの共同研究である。 DACを用いた高圧下での電気抵抗と格子定数の同時測定のための技術開発を行った。この研究はバングラデシュのHannan教授との共同研究である。 JRR3で計画していた実験については原子炉が稼働しなかったため実施していない。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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