2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21684020
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田山 孝 富山大学, 大学院・理工学研究部(理学), 准教授 (20334344)
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Keywords | 強相関電子系 / 異方的超伝導 / 多極子秩序 / 熱膨張 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き角度分解熱膨張測定の装置開発を行った。昨年度は冷凍機を軸回転させるローテーターのコントロールが上手くいかなかったため,新たに別のコントローラーを購入しなおした。これによって精密に冷凍機を回転させることができ,回転速度を自由に設定できるようになった。実際,最低温度250ミリケルビンで動作確認を行ってみたところ,ローテーター動作中においても発熱も小さく温度は比較的安定して回転させることができた。そのあと実際に膨張計を取付け籠状物質CeRu_2_Al_10_の予備実験行ってみた。この物質は斜方晶型の結晶構造をもち,T_0_=27Kで磁気転移を示す。この物質のCeイオン間距離は5.2Åと大きいにもかかわらず,転移温度がかなり高いことから単純な磁気転移ではないことが予想されている。この物質に磁場を印加するとc軸方向にのみH*~3テスラ付近で相転移らしき異常が見られる。この異常の起源を探るため,H*の磁場角度依存性を調べてみた。熱膨張の方向はb軸,磁場はac面内に印加して角度分解熱膨張測定を行った。その結果,c軸からa軸方向に傾くにつれて転移磁場が生急激に上昇することが分かった。今後は他の方向についても詳しく調べてみる予定である。
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Research Products
(21 results)