2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21684021
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
桂木 洋光 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (30346853)
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Keywords | 粉体 / 衝突 / 応力伝播 |
Research Abstract |
本年度は研究期間の最終年度にあたることもあり,これまでに行った研究成果のまとめと統一的理解および成果の発表とに特に注力した.まず,研究期間の特に前半に集中し実施した液滴と粉体層の衝突による変形実験については,粉体・液滴両方の物理的特性を系統的に変化させて得られた結果を論文にまとめて発表を行った.その後,続いて行った固体塊の粉体層への低速陥入実験についても,そのスケーリング特性について解析と議論を深め,結果を論文にて発表した.特に粉体層内での圧力伝播則として比較的シンプルなスケーリング則を実験的に見出すことに成功し,そのスケーリングの非線形性が粉体粒子の接触境界の存在と深く関係することを明らかにした.これは粉体における非線形性と離散性をつなぎ合わせる概念になり得る結果である.一方で粉体粒子の接触境界で実際にどのような物理過程が起こっているかについては,本実験では明らかにすることが出来なかったが(本研究計画の範囲外の事項であった),今後はそのようなミクロスコピックなアプローチも重要となることが発展的課題として見出された.これらの結果については今年度のいくつかの学会・研究会においても講演発表を行った.今年度は特に国際研究会での発表に重点を置き,論文出版も合わせて国内外に広く結果を発表することに留意した.また,低速陥入実験では,サンプルの準備方法や粉体粒子形状'繰り返し負荷などの網羅的実験の結果についても実験・解析を進め,スケーリング則(特に指数)が,それら詳細には依存しないことを明らかにした.この結果についても論文が受理をされた(印刷中).本研究全体を通して,2種類の実験・解析を行い,それぞれに粉体の基礎物理特性(特に抵抗力則)をいくつか明らかにすることが出来,当初計画は十分達成されたと考えている.
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Research Products
(8 results)