2010 Fiscal Year Annual Research Report
火山の爆発的-非爆発的噴火の分岐を支配するマグマの脱ガスの定量的理解
Project/Area Number |
21684025
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥村 聡 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40532213)
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Keywords | 火山噴火 / マグマ / 脱ガス / 爆発的噴火 / 変形実験 |
Research Abstract |
本研究は火山噴火の多様性を支配するマグマの脱ガスの効率を定量化し,火山の爆発-非爆発噴火の分岐を支配する要因を明らかにすることを目的としている.今年度は地殻内を減圧されながら上昇するマグマを,実験的に再現し"その場観察"するための実験システムを構築し,実際に予備的な実験を進めた. まず,マグマの上昇を再現できる高温高圧変形実験装置を作成した.この装置では,~1000℃の温度,数十MPの圧力条件下でマグマをねじり変形させることが可能である.その装置を大型方射光施設SPring-8のビームライン(BL20B2)に設置し,高温高圧条件下でのマグマの流動をX線透過撮影法やコンピューター断層撮尉法を用いて観察した.SPring-8における複数回の実験を通して,装置の改良や測定条件の最適化などを重ねることで,上記の条件下での実験はほぼ確実に行えるようになった。 流紋岩マグマを用いた予備的な実験(~940℃,数MPa,0.01s^<-1>程度の歪速度)の結果,マグマが発泡.脱ガス,それに続く緻密化のプロセスを観察することに成功した。また800℃程度の実験では,マグマが脆性破壊を起こす瞬間を観察することにも成功した.来年度以降は,このシステムを用いた実験を繰り返し行うことで,脱ガス・緻密化が起こる条件について制約をする.また,その条件を用いてマグマ上昇をモデル化し,火山噴火の多様性を支配する要因を明らかにしていく.
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Research Products
(6 results)