2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21684028
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
久保田 尚之 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球環境変動領域, 研究員 (40359211)
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Keywords | 台風 / 長期変動 / 西部北太平洋 / データ収集 |
Research Abstract |
1. 台風資料の収集 研究協力者の片岡久美さんの協力を得て、1901-1950年の日本の中央気象台の台風経路図を入手した。香港気象局を訪問して、香港気象局所蔵の1884-2009の台風経路図を入手した。 2. 台風資料の電子化 台風の位置情報に関して、香港気象局の台風経路1884-1953、台湾気象局の台風経路1892-1939、日本の中央気象台の台風経路1901-1939の電子化を行った。 3. 台風経路データセットの作製 フィリピン気象月報記載の20世紀前半の台風経路図と既存の20世紀後半の台風経路園と合わせて、20世紀を通した西部北太平洋域の台風経路データセットを作製し、品質検査を行った。 4. 研究成果の発信と研究協力者との議論 研究協力者の所属する台湾気象局、香港城市大学、ハワイ大学に訪問し、招待講演やセミナーを通して、本課題の研究成果の発表を行い、広く情報の発信を行った。研究協力者と議論を行い、本課題で収集、電子化した台風資料を用いた研究の打ち合わせを行った。作製した台風経路データセットの概要はデータ解析・統合システム(DLAS)を通じて、ホームページに公開した。 5. 本課題で収集、電子化したデータを用いた解析 フィリピンに上陸した過去100年間の台風データセットを作成し、長期変動を調べ、論文を出版した。フィリピンに上陸した台風はエルニーニョなどによる年々変動が顕著に見られる時期(1940年代~1970年代)と不明瞭な時期に分かれている。 20世紀を通した台風の発生数は、西部北太平洋全域では長期トレンドは見られないものの、北緯10度以南の低緯度で発生する台風数は1920年代をピークに減少傾向が見られ、1990年代後半は、発生数が半分以下にまで減少している。つまり、20世紀後半にかけて、台風の発生位置は北上している傾向が見られた。
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Research Products
(6 results)