Research Abstract |
最終年度の研究として,以下の項目を検討した。 (1)D-体・L-体のアミノ酸の安定窒素同位体比を測定する (2)アミノ酸の炭素同位体比測定法の開発を検討する まず,(1)については、22年度に開発した二次元ガスクロマトグラフ法と,光学活性アルコールによる誘導体化法を組み合わせて,様々なアミノ酸(ロイシン,イソロイシン,セリン等)について,D-体・L-体のアミノ酸の安定窒素同位体比について光学異性体別の測定法を確立した。また実際に,実試料(バクテリアの細胞壁ペプチドグリカンや,化学合成したラセミ体のアラニン,バリン)の測定を中心に行った。一方で,この手法では回収率が5%程度と非常に悪く,これは本研究が終了した後も,改善しなければならないポイントであることも判明した。 (2)については,22年度に検討した誘導体化法(スルホニル化,一段階エステル化,ジアゾ化,ヒドロキシル化,エステル化,またはこれらの組み合わせなど)や,ガスクロマトグラフでの分離カラムのデータを精査し,また様々な改良を施した。最終的には,ジアゾ化とアルコール置換(ジアゾ基のアルコキシル置換)の組み合わせで,アミノ酸の炭素同位体比の測定を可能にした。 これは世界で初めて,実試料分析に耐えうる汎用的な分析法のプロトタイプと言えるものであり,現在,これを細密に再検証している。再検証が終わり次第,論文として発表する予定である。
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