2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21685007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 宗太 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40401129)
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Keywords | 自己組織化 / 錯体 / ペプチド / 中空カプセル / パラジウム / 球状錯体 |
Research Abstract |
本研究では、比較的単純な構造を持つ二つの配位部位を有する二座配位子と、遷移金属イオンとの自己集合によって合成される球状錯体を基本骨格とし、この人工分子の化学修飾を通して生体関連分子を導入することで、人工分子-生体分子を拓実に制御した融合的研究をめざした。 自己集合を使った分子合成は、分子サイズや分子量が大きな分子を効率的に合成する手法として有用であるが、その多くは10個程度の構成成分からなるものであった。申請者の研究グループでは、12個の遷移金属イオン(M)と24個の配位子(L)の、合計36成分が構成成分として自己集合し、M12L24組成の、中空の球状錯体が得られることを見いだしている。 この直径数ナノメートルの、他に類を見ない巨大かつ精緻な構造を持つカプセル状錯体を土台に、タンパク質、機能性ペプチド、生体由来糖鎖などの生体分子を化学修飾する検討を行ってきている。あらかじめ配位子に生体分子を官能基として共有結合で連結しておけば、思った通りに生体分子を錯体上に配置することができた。例えば、オリゴ糖を配位子に連結して錯体を合成したところ、錯体上に24個のオリゴ糖が集積されたことで、水溶性があがり、錯体の溶解性を改変し、水溶性の錯体を合成することができた。また、比較的大きなペプチド鎖を連結した配位子を、無置換の配位子と混合して用いて、遷移金属イオンとの自己集合に供することで、ペプチドを1つだけ閉じ込めたカプセル錯体の合成に成功した。
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Research Products
(12 results)