2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21685007
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 宗太 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40401129)
|
Keywords | 自己組織化 / 錯体 / ユビキチン / 中空カプセル / パラジウム / 球状錯体 |
Research Abstract |
本研究では、比較的単純な構造を持つ二つの配位部位を有する二座配位子と、遷移金属イオンとの自己集合によって合成される球状錯体を基本骨格とし、この人工分子の化学修飾を通して生体関連分子を導入することで、人工分子-生体分子を拓実に制御した融合的研究をめざした。 自己集合を使った分子合成は、分子サイズや分子量が大きな分子を効率的に合成する手法として有用であるが、その多くは10個程度の構成成分からなり、申請者の研究グループでも36成分の自己集合が最大の構成成分数であった。本研究ではこの成分数を一気に72成分に増やしたM24L48球状錯体の合成と構造決定に成功した。 これらの直径数ナノメートルの、他に類を見ない巨大かつ精緻な構造を持つ錯体を土台に、タンパク質、機能性ペプチド、生体由来糖鎖などの生体分子を化学修飾する検討を行った。あらかじめ配位子に生体分子を官能基として共有結合で連結しておけば、思った通りに生体分子を錯体上に配置することができた。例えば、チタン結合性ペプチドを修飾した錯体を合成したところ、錯体上に24個のペプチドが集積されたことで、個々のペプチドの結合能が相乗的に働き、極めて強固かつ不可逆的に錯体をチタン表面に固定化できることを見いだした。また、比較的小さなタンパク質であるユビキチンを連結した配位子を、無置換の配位子と混合して用いて、遷移金属イオンとの自己集合に供することで、ユビキチンが1つだけ閉じ込められた錯体の合成に成功した。
|
Research Products
(24 results)