2009 Fiscal Year Annual Research Report
デンドリマー型リン光錯体による塗布型有機EL素子の高効率化
Project/Area Number |
21685014
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
夫 勇進 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00350489)
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Keywords | 先端機能デバイス / 有機半導体 / 電子・電気材料 / 合成化学 / 有機EL / デンドリマー / イリジウム錯体 / リン光 |
Research Abstract |
塗布型リン光有機EL素子の高効率化には、有機溶媒に可溶で塗布成膜可能なバイポーラ性のホスト材料が有効であると考えられる。塗布成膜可能なバイポーラホスト材料として電子アクセプター性が大きいpyrimidineと電子ドナー性かつ高い三重項エネルギーを持つcarbazoleを有し、さらにcarbazole上3,6位にn-butylを置換し溶解性を向上させた4,6-bis(3-(3,6-di-n-butylcarbazol-9-yl)phenyl)primidine(BuCzPPm)を設計、合成した。4段階の鈴木カップリング反応、Ullman反応を経て、目的化合物BuCzPPmを得た。熱分解温度は448℃と高く、0-225℃間でガラス転移は観測されなかった。スピンコートにより良好に薄膜を形成した。BuCzPPmにFIrpic、Ir(ppy)_2(dpm)、mCP6の三種類の発光ドーパントを用い、発光寿命測定および発光量子効率測定を行った。発光強度の時間分解スペクトルはIr(ppy)_2(dpm)、mCP6では1次の減衰を示し、特にmCP6では63%と高い発光量子効率値が得られた。これはmCP6がホストと同じ末端基と嵩高い置換基を有しており、ドープ膜内での分散性がよく濃度消光が抑えられたためだと考えられる。ドーパントにFIrpicを用いた有機EL素子は低い特性に留まった。これは発光層への大きいホール注入障壁が原因だと考えられる。またIr(ppy)_2(dpm)、mCP6をドーパントとして用いた素子では良好な効率が得られ、BuCzPPmの塗布型バイポーラ性ホスト材料としての有用性を明らかにした。
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Research Products
(4 results)