2010 Fiscal Year Annual Research Report
デンドリマー型リン光錯体による塗布型有機EL素子の高効率化
Project/Area Number |
21685014
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
夫 勇進 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00350489)
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Keywords | 先端機能デバイス / 有機半導体 / 電子・電気材料 / 合成化学 / 有機EL / デンドリマー / イリジウム錯体 / リン光 |
Research Abstract |
リン光錯体Ir(ppy)_3は溶解性に乏しく塗布プロセスに適さない。本研究では、Ir(ppy)_3を主骨格とし電子輸送性置換基であるピリジル基を導入した新規イリジウム錯体を合成した。フェニルピリジンのメタ位に置換基を導入することで配位子への共役が抑制され、Ir(ppy)_3と同等の発光色を示した。また、薄膜での発光量子収率は高くピリジル基の修飾は、発光効率への影響がない事を明らかにした。従来Ir(ppy)_3に比べ溶解性は向上し、特にピリジル基の極性によりアルコール類への溶解性を示し、塗布型有機EL発光材料として高い有用性が期待される。ホール輸送層にTAPC、ホストにCBP、電子輸送層にB3PyPBを用いた有機EL素子において、100cd/m^2時に90lm/W、外部量子効率25%を超える高い有機EL特性を示した。以上により、これら新規ピリジル置換イリジウム錯体の高い溶解性と有機EL特性を明らかにした。 一方で、従来の塗布型有機EL素子では、溶解性の観点から重ね塗りによる積層構造は不可能であった。高効率・長寿命化のためには多段積層構造は必須である。本研究では、塗布型積層多段素子に向けて、塗布成膜後に熱により架橋不溶化が可能なホール輸送性材料、バイポーラ性ホスト材料を開発し、塗布型積層有機EL素子へと応用した。架橋後の膜は汎用有機溶媒に不溶であった。Time-of-Flight法により架橋性置換基および架橋プロセスがホール移動度へ与える影響を明らかにした。
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Research Products
(5 results)