2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21685018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
荘司 長三 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (90379587)
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Keywords | 蛋白質 / 酵素反応 / バイオテクノロジー / 生体機能利用 / シトクロムP450 / 疑似基質 / 過酸化水素 / ガス状アルカン |
Research Abstract |
平成23年度は、酸素分子を還元的に活性化するシトクロムP450BM3に対して、直鎖アルキルカルボン酸のすべての水素がフッ素に置換されたパーフルオロカルボン酸をデコイ分子(本来の基質に構造を似せた疑似基質)として反応系に添加すると進行するプロパンやブタンなどのガス状アルカンの水酸化反応の反応条件の最適化を行い、反応効率(カップリング効率)の大幅な改善に成功した。また、ベンゼンやトルエンなどの芳香環の水酸化にも成功し、特に、トルエンの水酸化では反応性の高いベンジル位ではなくオルト位が選択的に水酸化される反応系を構築することができた。さらに、部分的にフッ素化された疑似基質でも反応が進行することを見出し、すべての水素をフッ素化する必要がないことを示した。過酸化水素駆動型のシトクロムP450_<spa>では、デコイ分子としてR体のイブプロフェンを取り込んだ結晶構造解析をもとにしたドッキングシュミレーションにより、R体のイブプロフェンが反応空間に取り込まれると、288番目のフェニルアラニンと基質であるスチレンの相互作用が変化し、スチレンのエポキシ化反応の立体選択性が逆転することを明らかにした。また、シトクロムP450_<spa>では、デコイ分子を添加しなくても反応が進行する変異体の作成に成功し、スチレンのエポキシ化反応だけでなく、エチルベンゼンの水酸化が可能であることを明らかとするとともに、作成した変異体の結晶構造解析により、活性部位のアミノ酸配置と過酸化水素を酸化剤とする酸化活性種の生成の関連を原子レベルで明らかにした。
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Research Products
(15 results)