2010 Fiscal Year Annual Research Report
規則配列ナノドットを用いて歪制御した極少転位ヘテロエピタキシー
Project/Area Number |
21686006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 芳明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (60345105)
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Keywords | MBE、エピタキシャル / ナノ材料 / 超格子 / 結晶成長 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
H21年度開発した自己組織化技術により作製した配列ナノドットテンプレート上へ、ヘテロエピタキシャル薄膜を成長する技術開発を行った。今年度、二つのナノドットテンプレートを用いて実験を行った。具体的には(1)転位ネットワークを用いて作製した配列ナノドット(2)極薄Si酸化膜を用いたナノドット、である。 (1)転位ネットワークを利用した配列SiGeナノドット上にGe薄膜を成長した。このテンプレートを用いた場合、成長温度を上げるとアイランド成長が観察された。これは、転位ネットワークを用いて形成したナノドットにおいては、ナノドットのアスペクト比が小さく、十分に歪緩和していないと考えられる。 (2)極薄Si酸化膜上ナノドット上にGe薄膜を成長した。このテンプレートを用いた場合、成長温度を三段階に分けることにより、結晶性が良く、平坦なGe薄膜がSi(001)基板上に形成できた。これは、極薄Si酸化膜を用いて形成したナノドットは球状に近く、十分に弾性的に歪緩和していると考えられる。実際に電子線回折を用いて歪緩和を評価すると、ナノドットを形成した時点で、歪緩和が生じていることがわかった。また、このヘテロピタキシャル技術を、Si(111)基板に応用した実験を行った。(001)面とは異なり、(111)ファセットができやすいことから、平坦表面を作製することは困難であった。面方位を変えた場合、成長プロセスの最適化を行う必要があることがわかった。今年度は、Si(001)基板上へのGe薄膜成長技術開発に成功したが、Si(111)基板への応用は今後の課題である。
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