2011 Fiscal Year Annual Research Report
規則配列ナノドットを用いて歪制御した極少転位ヘテロエピタキシー
Project/Area Number |
21686006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 芳明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (60345105)
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Keywords | MBE、エピタキシャル / ナノ材料 / 超格子 / 結晶成長 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
私は、H21-22年に極薄Si酸化膜上ナノドットを用いたGe/Si(001)ヘテロエピタキシャル薄膜成長技術-ナノコンタクトエピタキシー-の開発に成功している。今年度は、(1)X線回折法、フォトルミネッセンス(PL)分光法を用いることで、このGe(001)薄膜の結晶性を評価した。また、(2)このナノコンタクトエピタキシーを応用して、高電子移動度が期待されているGe(111)薄膜のSi(111)基板上の形成技術開発を行った。(3)III-V族半導体GaSb/Si薄膜のヘテロエピタキシャル成長にも成功した。 ナノコンタクトエピタキシーを用いて形成したGe/Si(001)薄膜において、0.8eV付近で、強いPL発光が概察された。AFM観察の結果、表面平坦性が0.4nmと、高平坦性を示した。この薄膜のX線回折の解析結果から、ナノドットを形成することで、格子不整合歪がほぼ完全に緩和していることがわかった。また、エッチピット密度を測定したところ、100nmという薄い膜厚で10^4-10^5cm^<-2>と極少転位密度であることがわかった。これらの結果より、私が開発したナノコンタクトエピタキシーを用いると、従来法と比較して超平坦でかつ超高品質なGe薄膜をSi(001)基板上へヘテロエピタキシャル成長可能となることことがわかった。 一方、このナノコンタクトエピタキシーを用いてSi(111)基板上へのGe薄膜形成技術開発を行った。エッチピット密度は、100m程度の膜厚で10^4-10^5cm^<-2>と極少転位密度であり、高品質な薄膜の形成に成功した。ファセットに囲まれたドメイン構造が形成され、薄膜全体の表面平坦性は、数十nmであった。しかし、ファセットで囲まれたドメイン自体は、数nmの平坦性を有し、マイクロメートルサイズであるため、応用上利用可能な高品質Ge(111)薄膜の形成に成功したといえる。 また、この手法を応用することで、III-V族半導体GaSb/Si薄膜のヘテロエピタキシャル成長に取り組み、約12%の格子不整合があるにもかかわらず、高品質な薄膜形成に成功した。
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