2010 Fiscal Year Annual Research Report
金微粒子触媒における微細構造と触媒機能に関する研究
Project/Area Number |
21686008
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
秋田 知樹 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 主任研究員 (80356344)
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Keywords | 電子顕微鏡 / HAADF-STEM / 金微粒子 / 金属酸化物 / 触媒 / 表面・界面 |
Research Abstract |
触媒の構造と活性に関係を明らかにすることを目的に、固定床流通式触媒活性測定装置を立ち上げ、析出沈殿法で作製した電子顕微鏡観察用のモデル触媒試料の一酸化炭素の酸化反応における触媒活性の評価を行った。これにより、電子顕微鏡観察のためのモデル触媒構造においても、活性評価を行うことが可能となった。また、界面構造の検討としてp型半導性を示すNiOを担体に用いて、金-酸化ニッケルモデル触媒を作製した。多結晶酸化ニッケル基板を用いたモデル構造を作製し界面構造を詳細に観察した。高分解能TEM観察から金微粒子と酸化ニッケル基板結晶の方位関係を調べ、Au(111)[1-10]//NiO(111)[1-10]の優先方位関係があることがわかった。特に高分解能TEM観察像の統計的な評価を行い、40%の金微粒子が上記の方位関係を持つことがわかり、Au(111)[1-10]//NiO(111)[-110]の方位を持つものを合わせると、60%以上となることがわかった。またAu(111)-Ni(111)界面の原子配列についてHAADF-STEM観察を行い、Profile-View HAADF-STEM観察を行うことができた。その結果、Au-Ni原子層間の距離は0.32nmとAu-CeO_2(0.28nm)などの場合と比較して大きな値を持つことがわかった。このことから原子層間には酸素が存在することが示唆された。さらに、金アセチルナート錯体を用いた固相混合法でモデル触媒試料作製を試みた。これにより活性測定に用いるモデル触媒と、結晶基板を用いたモデル試料を同一の方法で作製することが可能になり、構造を触媒活性との関係をより詳細に議論できる。結晶基板にも錯体を担持できることを確認し、今後、粒子径、粒子密度制御のための錯体吸着温度、焼成温度の検討を行っていく。
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Research Products
(5 results)