2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21686012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
燈明 泰成 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (50374955)
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Keywords | ナノ材料 / ナノコンタクト / ナノ接合 / ナノ切断 / ジュール熱 / 自己完了 / ゼーベック効果 / ナノ熱電デバイス |
Research Abstract |
平成21年度は申請時に計画した研究を遂行し、以下の研究実績を得た。 1.ナノワイヤ系における電気-熱問題に関する理論的考察二本の導電性ナノワイヤを対向させた電気-熱問題を考え、細線同士の接触部では電流集中に加え、有効体積が極めて小さいことに起因して、細線が溶融しない条件下においても接触部が融点することを明らかにした。またこの知見に基づき、ナノコンタクト部の溶融現象を支配する新しいパラメータを抽出することに成功した。パラメータは電流、細線長、細線断面積および熱的境界条件を補正する関数からなり、当該パラメータが閾値を越える条件で細線接触部が溶融することを実証した。さらに、一旦細線接触部が溶融したならば、その後、一定直流電流の付与下では接触部が自発的に凝固し、ジュール熱を用いる本手法によれば自己完了型の細線溶接が実現できることを発見した。 2.走査電子顕微鏡組み込み型ナノ接合機構の開発現有のマニピュレータ(3軸)に物品費で購入のマイクロマニピュレータ(3軸×2)を組み込み、9自由度のナノ接合機構を試作した。さらに接合用の電源やステージコントローラ等を真空ポートを介して走査電子顕微鏡の外部に配置することで、走査電子顕微鏡内でのナノワイヤ同士の接合実験を可能にした。試作したナノ接合機構を用いて基板上に成長させた銀ナノワイヤをピックアップし、当該ナノワイヤ同士をジュール熱溶接することで、開発したナノ接合機構の安定性と有用性を確認した。 3.渦電流顕微鏡法による金属ナノワイヤの導電率評価絶縁層を有するシリコン基板上の溝に固定した白金ナノワイヤ上で、垂直磁化した磁気プローブを超音波振動させ、ナノワイヤ内に渦電流が形成したことをプローブの振動位相変化から確認することに成功した。さらに薄膜配線に対する渦電流誘導実験より、本手法により形成される渦電流が高密度であることを確認した。
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Research Products
(10 results)