2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ構造体の非線形挙動を支配する転位の動的メカニズムの解明
Project/Area Number |
21686013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澄川 貴志 Kyoto University, 工学研究科, 講師 (80403989)
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Keywords | ナノ / 金属 / 転位 / 変形特性 / メカニズム |
Research Abstract |
(1) 超低エネルギーナノ加工装置の開発 本研究の目的は、ナノ構造体の界面端近傍における転位の動的挙動を実験及び解析によって明らかにすることである。ナノサイズの試験片は、集束イオンビーム(Focused Ion Beam : FIB)加工装置を用いて作製する。このとき導入される表面加工層は数十nm以上の厚さを有することから、表面近傍の塑性挙動を議論する際、大きな問題となる。そこで本年度は、表面加工層を数nmレベルまで低減した試験片の作製を目的として、超低エネルギーナノ加工装置(以下、ナノ加工装置と記す)を開発した。焼き鈍し処理(850℃、24h)を施した銅バルク材を対象材料とし、FIB装置およびナノ加工装置を用いて加工出力条件を変えた薄片化サンプルを数種類用意し、透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope : TEM)内においてその加工層を観察した。FIB加工においては、出力40kVで48nm厚さの加工層、出力1kVで13nmの加工層が表面に存在することを確認した。さらに、FIB加工後に開発したナノ加工装置を用いると、出力1kVで10nm、出力100Vで1nm程度まで加工層を低減できることを確認した。次年度より、本条件を用いて試験片の最終処理を行い、負荷試験に供する予定である。 (2) 力学解析の準備 結晶方位と結晶の直交異方性を考慮した有限要素法解析手法の実施準備を行った。さらに転位動力学解析用プログラムを構築し、有限要素解析で得られる巨視的応力場への拡張が可能なユーザーサブルーチンを作成した。
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