2010 Fiscal Year Annual Research Report
固体フッ素樹脂原料を用いた低環境負荷型バルクシリコン太陽電池表面処理技術の開発
Project/Area Number |
21686014
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大参 宏昌 大阪大学, 工学研究科, 助教 (00335382)
|
Keywords | 化学輸送法 / 大気圧プラズマ / エッチング / 太陽電池 / 表面処理 / PTFE |
Research Abstract |
本年度は,太陽電池製造プロセスとしての適用性を実証することを目的として,シリコンのエッチング実験を行った.典型的なエッチング速度は,13.56MHzの電源を用い,酸素濃度5%,投入電力150Wの条件において0.7μm/minであった.ここでバルクシリコン太陽電池の変換効率の高効率化のためには,表面反射率の低減は必須である.そこでまず,プラズマ生成パラメータと表面粗さの相関を調べた.その結果,投入電力を一定とし処理時間を変化させた場合,処理時間の増大に伴って表面粗さが増大すると同時に,表面粗さの空間周波数も長周期化することが分かった.一方,処理時間を一定とし,投入電力を変化させた場合,表面粗さは投入電力の増大に伴って増加し,空間周波数は大幅に変化しない事が明らかとなった.次に各電力にて形成されたSi表面の可視光領域での絶対光反射率を分光光度計にて測定した.未処理の鏡面Si(001)ウェハでは,可視光領域で反射率が,67%から40%を示すのに対し,高電力条件で処理したSi基板では,その反射率を4%未満まで低下させることに成功した.また表面加工変質層を持つアズスライスSiウェハに対して本手法を適用し,加工変質層除去を試みた.その結果,Si表面に残存する変質層の完全除去が可能であることを確認し,形成された表面は無歪みであることが明らかとなった.本手法で得られたSi表面にてショットキーダイオードを作製し,その電流電圧特性を評価した.その結果,加工変質層の存在するSi表面では,一切整流性が観察されないが,本手法により加工変質層を除去することにより再現性良く整流性のあるダイオードを作製することができた.この電流電圧特性から求められるダイオード因子は,同一の仕様を持つ市販の鏡面加工Siウェハを用いた場合と比べ遜色のないものが得られた.
|