Research Abstract |
ナノ粒子構造体は,その構造によっては,その光学的,化学的,電気的,機械的な特性が大きく変化し,従来にない特性を発現する.そのため,ナノ粒子の応用分野は多様な広がりをみせ,化学や生物学の分野では,ナノ粒子を利用したセンサプローブや自己組織化によるナノ構造デバイスの製造が検討されている.ナノ粒子を構造化して製造される材料やデバイスの実現に向け重要な技術課題となるのが,製造プロセス中における,ナノ粒子とその配列の可視化とその構造化状態の制御技術である. 本研究は,ナノ粒子の構造化過程における可視化計測を実現し,さらに,計測したナノ粒子から,所望のナノ構造を組み立てるアクティブナノ粒子構造制御を実現するための基盤技術を開発することを目的としている.本研究の独創性は,独自に開発した蛍光顕微鏡システムを用いて,ナノ粒子の粒径計測と,選別を行い,また,ナノ粒子のハンドリングとナノ粒子の結合部位,結合方向を可視化するシステムを上記の蛍光顕微鏡システムに統合して,ナノ粒子構造のアクティブ制御を行う点にある. 本年度は,金ナノ粒子の粒径評価実験および,直径10nm以下の粒子の粒子形状依存特性について調べ,直径5nmおよび直径10nmの金ナノ粒子の粒径が,開発したシステムによる測定結果とよく一致することを確認した.また,球状以外の粒子についても,粒径の相対変化が,蛍光偏光度の値から比較できることを確認した.また,粒径評価および粒子形状の評価を実現するための時間分解蛍光偏光測定装置の基本設計を行った.
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