Research Abstract |
本研究では,液中に分散するナノ粒子の粒径や分散状態などの直接評価を可能とするナノ粒子状態の可視可システムの構築を実現し,同システムにナノ粒子のアクティブマニュピレーション技術を実装することで,ナノ粒子構造のアクティブ制御を実現する技術の開発を目指して,装置開発,技術開発を実施してきた.まず,ナノ粒子の可視化に関連して,ナノ粒子の粒径評価を行った. ナノ粒子の粒径は,その回転ブラウン運動をモデル化が行われた場合に,ナノ粒子の回転拡散係数を評価することで,その平均粒径を評価することが可能となると考えられる.そのため,まず,蛍光標識金ナノ粒子の回転ブラウン運動のモデル化を行った.さらに,構築したモデルにおいて算出される蛍光偏光信号の振幅および位相特性を評価した. さらに,標準サイズの球形金ナノ粒子に対し(直径10nm以下)ナノ粒子の粒径変化に伴う回転拡散係数の計測を可能にする,強度変調型(変調周期可変)蛍光偏光度計測システムの設計と構築,また,回転拡散係数の計測基礎実験を行った.上述の実験結果と構築したモデルの数値解析実験結果を比較することで構築したモデルの実験的な検証を行い,ナノ粒子の回転拡散係数の計測結果から直径10nm以下の粒子のわずかな回転拡散係数の変化を構築したシステムを用いて検出可能であることを確認した. また,ナノ粒子のアクティブマニュピレーションでは,上述の回転拡散係数計測システムの基幹となる顕微鏡システムに,金ナノ粒子に波長532nmの光を集光照射し,光誘起凝集現象を利用して,その集光スポットにおいて,ナノ粒子の凝集と成長を行うレーザ照射システムを構築し,ナノ粒子の光誘起凝集現象が行えることを実験的に確認した.
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