2009 Fiscal Year Annual Research Report
高精度油膜温度計測に基づく弾性流体潤滑レオロジーモデルの再構築
Project/Area Number |
21686016
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
八木 和行 Kyushu University, 工学研究院, 准教授 (50349841)
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Keywords | 弾性流体潤滑 / レオロジー / 温度 / 圧力 / 固化 / 赤外線 / せん断 / 滑り |
Research Abstract |
平成21年度前半にはまず,既存の実験装置の改良及び弾性流体潤滑条件での油膜厚さ測定を行った.実験装置には既存のボールオンディスク型の実験装置を用いたが,最大圧力を3GPa程度まで設定可能なように,装置全体の改良を行い,剛性を向上させた.そして,特異油膜形状が発見されている一価のアルコールだけでなく,それに類似する粘度かつ融点が常温付近であるアルカン,酸,アミン,そして二価および三価のアルコールを潤滑油として数種類選定した.これらの潤滑油を用い,滑り転がり条件を変化させて油膜厚さを測定した.その結果,一価のアルコールだけでなく,無極性であるアルカン,酸,アミンにおいても滑り速度の増加にともなって特異油膜形状が出現することを明らかにした.その一方で,二価および三価のアルコールでは特異油膜形状は出現しないことが明らかとなった. 本年度後半には,赤外放射計を購入し,温度計測システムの構築を行った.購入した赤外放射温度計は顕微レンズが組みつけられており,その結果,空間分解能約6μmを有するものである.さらに,この赤外放射温度計に光学バンドパスフィルターを組み合わせることにより,表面温度だけでなく,特定波長域からのみ放射する油膜温度を計測できるようにした.この赤外温度計測システムを実験装置に組み合わせて弾性流体潤滑条件における温度計測システムを完成させ,赤外透過材料であるサファイアを潤滑表面に用い,サファイアガラス越しに直径400μm以下の潤滑面の温度測定を行った.その結果,本実験システムで弾性流体潤滑下での温度分布測定が高精度で可能であることを確認した.
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Research Products
(3 results)