2010 Fiscal Year Annual Research Report
電界共役流体の流動メカニズムの解明とこれを用いたマイクロ液圧源の最適設計法
Project/Area Number |
21686017
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹村 研治郎 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (90348821)
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Keywords | 電界共役流体 / 機能性流体 / マクスウェル応力 / マイクロパワー源 / 数値解析 / PIV |
Research Abstract |
電界共役流体(Electro-conjugate fluid, ECF)は,直流高電圧の印加によって活発なジェット流を発生する機能性流体である.しかし,電界共役流体に生じる流動のメカニズムは明らかではなく,理論体系の確立が実用化に向けた最大の課題であった.このため,本研究ではECFが不均一な電界において活発な流動を呈することに着目し,電界下におけるマクスウェル応力を導入してECFの流動発生メカニズムを明らかにすることを目的とした. 2009年度までに提案したマクスウェル応力の不均一性に基づくECF流動理論の妥当性を評価するために,2010年度は以下の実験を行った.すなわち,(i)電圧を印加した際の液体中の電荷分布の測定実験,(ii)数元効果の測定による優勢電荷の確認実験,(ii)対向棒電極および三角-平板電極対による流動の可視化実験を行った.(i)からは電界共役流体の種類によって液体中の電荷分布に違いが見られることが明らかとなり,また一部の液体では電極近傍に於いて電気二重層が形成されていることが明らかとなった.(ii)では,各液体における優勢電荷の極性が明らかとなった.また,優勢電荷の影響が支配的となる液体とならない液体が存在することが明らかとなった。(iii)では,鋭利な電極の先端部において電荷注入が生じていることが明らかとなり,十分に高い電圧を印加した際には電荷注入が流動現象を支配することが明らかとなった. 以上より,2009年度に提案した流動モデルについて実験的に詳細に検討し,モデルに現れる各項が流動に与える影響を明らかにした.
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