2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21686020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小宮 敦樹 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (60371142)
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Keywords | 物質拡散 / タンパク質 / 光学計測 / 多成分拡散 / 位相シフト技術 |
Research Abstract |
本研究では,光学干渉計を用いてタンパク質の物質輸送現象を精緻可視化し,周囲環境が非定常拡散場に及ぼす影響について評価する.研究3年目の本年度は,研究フェーズの後半ステップとなる「モデリング」および「データベースの構築」を中心に研究を遂行した.また,昨年度に引き続き,外力によるタンパク質輸送現象の変化についても進めた.昨年度の実験成果から,電場の印加実験においては,強力な電場を拡散場に印加しなければ物質輸送現象に影響を及ぼさないことが明らかとなっており,本年度は印加電圧と物質輸送の変化量の関係を精緻に観察するために,高精度計測装置を最大限に利用し,わずかな電場印加で実験を行った.また,新たなパラメータとして,拡散場のpHを変化させて実験を行った.「モデリング」において,これまで行ってきた温度,濃度,および成分構成の他に,新たなパラメータを増やすことで拡散現象を観察し,周囲環境諸条件がどのように物質輸送現象に寄与するかを総合的に評価した. 「データベースの構築」においては,これまで試料として用いてきたタンパク質であるLysozymeの他に, BSAも試料として加え,これまでと同じパラメータ条件の下,実験を行った.両者は分子量等が大きく変わるわけではなく,等電位点も大きな差はない.しかし,統計力学的な視点からは,剛体球および軟体球でモデル化されるところに大きな違いがある.この違いが物質輸送現象にどのような影響を及ぼすかについても検討を行った.研究最終年度ではあったが,半年の研究期間延長を選択し,H24年度においてより深い実験を実施した.これらの新パラメータを考慮した更なる実験により,タンパク質の構造自体が物質拡散の濃度依存性に大きな影響を及ぼしていくことを実験的に捉えることができた.今後,得られた成果を国際雑誌に投稿していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)