2010 Fiscal Year Annual Research Report
高次時間制御高熱流メゾプラズマによる革新的熱流・反応場制御とナノ材料生成応用
Project/Area Number |
21686027
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 康規 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90303263)
|
Keywords | 熱プラズマ / ナノ粒子生成 / 変調プラズマ / 酸化チタン / スペクトル観測 / 振動温度・回転温度 / 粒径制御 / 気相反応 |
Research Abstract |
本研究は「大電力高次時間制御型変調誘導プラズマ源」を開発すること,さらに開発した変調誘導熱プラズマ源MITPをナノ材料超高速プロセスへ応用展開することを目的とした。申請者はこれまでに熱プラズマを用いたナノ粒子生成についても研究を進めており,テスト粒子として酸化チタンTiO_2のナノ粒子生成を行った。まず,TiO_2ナノ粒子生成実験において,Ar-O_2-Ti MITPの下流部におけるスペクトル観測を行った。その結果TiO分子スペクトルが確認でき,その放射強度がMITPの変調に応じて大きく変動していくことが確認できた。Ar-O_2プラズマに原料Ti粉末を投入するとTiが蒸発し,酸素と結合してTiO_2の前駆体TiOを気相で生じる。この結果TiOスペクトル観測結果から,TiOの振動温度・回転温度算出を試みた。そのためにまずTiO分子スペクトルの可視光域400-800nm成分,A-X,B-XおよびC-X遷移系のスペクトル係数を計算した。それらの実験値とfittingすることにより回転温度・振動温度を算出した。この結果から,TiO振動温度・回転温度の変動が確認でき,特に回転温度がオフ時間時に大きく低下していくことがわかった。さらにこの回転温度の時間減衰率は,MITPの変調度で制御できることが判った。また,回転温度の時間減衰率の絶対値が大きいほど,生成ナノ粒子径が小さくなることを実験的に示すことができた。これは変調熱プラズマにおける気相ナノ粒子生成において,変調時の急冷効果がナノ粒子の核生成・凝縮過程に大きく関わっていることを示唆している。
|