2009 Fiscal Year Annual Research Report
SHG-ラマン分光による有機FET中の電界・電荷イメージングと素子動作モデル
Project/Area Number |
21686029
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
間中 孝彰 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (20323800)
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Keywords | 有機トランジスタ / 電界分布 / 電荷分布 / ラマン分光 / 光第2次高調波発生 |
Research Abstract |
本研究課題では、これまで申請者が開発してきた時間分解顕微SHGイメージングという光学的手法を軸に、新たにラマン分光法によるキャリアの直接イメージングを併用することで、素子中の電界・電荷・移動度分布を画像化することを目的としている。 まず本年度は有機FET用顕微ラマンイメージング測定系の立ち上げを行った。顕微ラマンイメージングは長焦点の顕微鏡対物レンズを用い、斜入射照明系でチャネル部のラマン散乱をイメージングするものである。ラマン信号は非常に微弱であるため、検出系については高感度冷却CCDを用いてラマン信号を直接画像化した。顕微鏡部分およびサンプルポルダを自作することで、柔軟性の高いシステムを構築することができた。サンプルポルダは温度制御ができるようになっており、キャリア分布の温度依存性を測定できるようにした。 実際にラマンイメージングを評価したところ、キャリア注入によって散乱強度が変化し、実際のFET動作に伴ってキャリアの分布が変化する様子を捉えることに成功した。しかし、現段階ではラマン散乱が発光過程と区別が困難であるということと、その強度変化する原因が特定できていないため、光吸収の電荷注入依存性(電荷変調分光法)を評価した。その結果、同じく電荷変調分光によってもキャリア注入とFET動作の様子を評価できることが分かった。さらには、分子単体における電荷変調スペクトルについて量子化学計算的な予測を行った。
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