2011 Fiscal Year Annual Research Report
SHG-ラマン分光による有機FET中の電界・電荷イメージングと素子動作モデル
Project/Area Number |
21686029
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
間中 孝彰 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20323800)
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Keywords | 有機トランジスタ / 電界分布 / 電荷分布 / 電荷変調分光 / 光第2次高調波発生 |
Research Abstract |
本研究課題では、これまで申請者が開発してきた時間分解顕微SHGイメージングという光学的手法を軸に、新たにラマン分光法によるキャリアの直接イメージングを併用することで、素子中の電界・電荷・移動度分布を画像化することを目的としている。 本年度は昨年度に引き続き、電荷変調顕微イメージング測定から、キャリアの状態(電子やホールなどのキャリア種や、トラップ状態など)、およびキャリア分布に関する評価を継続した。まずはキャリア種の区別に関する研究として、スペクトル測定と変位電流測定を組み合わせることにより、電荷注入の閾値とスペクトル変化を明確に議論できるようになった。これにより両極性動作における閾値の見積もりや、キャリア種によるスペクトルの違いを捉えることができた。また。ペンタセン、C60の2層構造を有する両極性FETにおいて、電子とホールの輸送経路をスペクトル的に決定することに成功した。 一方で、時間分解顕微SHGイメージング測定により、キャリア輸送の温度依存性・電圧依存性を明らかにすることができた。これまで、デバイス中のトラップが電荷輸送や移動度に及ぼす影響がSHGによって明らかになっている。例えば、電圧依存性からは、ソースへのパルス印加に先立ってゲート電圧を印加し、トラップを予め埋めるという操作を行うと、移動度の向上が見られるが、この電圧依存性を細かく測定することで、移動度の飽和が観測され、そこからトラップ密度の算出等を行った。
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