2010 Fiscal Year Annual Research Report
mmオーダーの広域視野磁化ベクトル履歴動画像を撮影可能な磁区観察装置の作製
Project/Area Number |
21686037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齊藤 伸 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50344700)
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Keywords | 磁区観察 / 偏光 / 磁気カー効果 / 軟磁性簿帯 / 永久磁石材料 / 時分割法 / ストロボ法 |
Research Abstract |
我が国で戦略的に進められている永久磁石用材料や、環境負荷軽減のための軟磁性箔帯材料(トランス材、時計用アンテナ材など)については、損失や磁壁ピンニング特性の改善が重要である。これらの材料の磁区構造はサブμmオーダーからcmオーダーまで様々であり、特性改善のためには磁区構造を直接観察し材料・作製プロセスにフィードバックをかける必要がある。一般に数10-数100μmオーダーの磁区構造については、ケーラー照明を用いた偏光顕微鏡技術を応用することにより観察可能であるが、さらに大きな磁区構造については、複数の顕微鏡像を繋ぎ合わせて磁区像を合成せざるを得ず、迅速なデバイス開発の障害となっている。そこで本研究では、mmオーダーの広域視野にわたる磁区および磁化ベクトル方向の一括観察装置を実現することを目標に掲げている。 広視野観察を実現しつつ観察体の磁化方向も検出するためには、長焦点かつ高NA(=大口径)の対物レンズが必須であり、対物レンズ上への入射位置を選択するための光線の偏向器に要求される偏向角が増大することになる。今回新たに製作した広視野光学系では、焦点距離75mm、有効径50mmφの対物レンズと焦点距離125mmのリレーレンズを用い、ガルバノスキャナにより偏向角約8度を実現した。スキャナでは2軸を別々に偏向させるため、大口径化は2軸の偏向点の位置ずれが大きくなり、照明光のケラレや入射角の制限が発生する。これを抑制するため発散光を偏向する照明光学系を新たに設計し,有効開口15mmを実現した。これらの結果、cmオーダのトランス材を巻き磁芯形状のまま、高周波励磁して時間分解磁化ベクトル像観察を行うことに成功した。
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Research Products
(4 results)