2012 Fiscal Year Annual Research Report
確率制御の新展開:レヴィ過程の制御と数理ファイナンスへの応用
Project/Area Number |
21686039
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加嶋 健司 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60401551)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 確率制御 / レヴィ過程 / 数理ファイナンス / システムバイオロジ / 最適化 / 大規模複雑系 |
Research Abstract |
近年、様々な分野において確定的なモデルでは表現できない確率的な挙動に対する解析・制御手法の重要性が増している。一方、物理システムの故障をはじめとして、金融工学における株価モデルなどでは、系の急激な変動の影響が大きな意味をもつが、これを理論的に捉える枠組みは十分とは言えない。本研究では、こうした現象を統一的に扱うことができるレヴィ過程(およびそれに駆動される確率過程)を数学モデルとして採用し、その解析・制御手法を確立する。本年度は昨年度までに提案していたレヴィ過程の弱近似問題に対する手法を改良するとともに、サンプル値制御理論にもとづく重み関数変換法を数理ファイナンスにおける確率密度関数推定問題に適用した。 また、数理ファイナンスと並ぶもう一つの主要応用先と定めているシステムバイオロジにおいては、生体などにおける化学反応の確率的挙動を記述するための標準的な枠組みであるChemical Master Equationを対象として、その低次元化手法を提案した。一方で、本課題を進める中で、本研究で焦点をあてている離散的な不確定性の重要性とともに、ミクロスケールで印加されるノイズがマクロな挙動に及ぼす影響の理論的考察、大規模動的システムにおける確率的現象の重要性を認識した。これを受け、ランダムグラフを用いて相互作用構造が記述される複雑ネットワークにおいて、エージェントレベルで印加されるノイズが全体の合意を乱す度合いを、システム制御理論的手法により計算する手法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)