2011 Fiscal Year Annual Research Report
背面土を考慮した橋台の力学特性の把握と桁の移動制限を考慮した橋梁の耐震安全性評価
Project/Area Number |
21686041
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶田 幸秀 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10403940)
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Keywords | 構造工学・地震工学 / 耐震 / 防災 / 橋台 / 桁衝突 |
Research Abstract |
本研究では,背面土を考慮した橋台の力学特性を明らかにし,桁-橋台衝突による桁端部や橋台部の損傷を把握することにより,橋台の抵抗特性を考慮した橋梁全体系の耐震安全性評価手法の確立を研究目的とする.平成23年度は以下2つの課題について研究を実施した. 橋台部の力学特性を解明するための静的水平載荷実験のシミュレーション 平成21,22年度に実施した静的水平載荷実験のシミュレーション解析を実施した結果,橋台の水平変位(パラペット天端部の変位)と橋台の耐力の関係について,最大耐力付近まではシミュレートできた.具体的には,初期剛性(弾性範囲内の剛性),橋台内部鉄筋の降伏時の荷重,鉄筋降伏後の剛性はシミュレートできた.また,ひび割れの進展状況,発生位置に関してもシミュレートは可能で有り,実験により実被害を再現した,竪壁の前面部のハの字型のひび割れや,ウイング部のせん弾力によるひび割れなども数値解析により再現できた. 橋梁全体系の耐震性能評価のための数値解析 上記のシミュレーション解析の手法を用い,橋台の降伏耐力は推定できることを確認した.それをふまえ,橋台の水平抵抗特性をバイリニア型でモデル化し,橋梁全体系の数値解析を実施した.その結果,橋台による上部構造の移動制限を考慮し,桁遊間量を適切に設定すれば,中間橋脚基部に作用する曲げモーメントが低減し,また,橋台部に作用する力が橋台の降伏耐力以下に収まり,橋台部に多少のひび割れが入るかもしれないが,橋梁全体としての耐震性能を向上できることが確認された.
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