2009 Fiscal Year Annual Research Report
制振ダンパーの取り付け部とその周辺部材に要求される性能の分析・設計方法の構築
Project/Area Number |
21686051
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉敷 祥一 Tokyo Institute of Technology, 応用セラミックス研究所, 助教 (00447525)
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Keywords | パッシブ制振構造 / 制振ダンパー / ダンパー取り付け部 / ガセットプレート / 弾性剛性 / 降伏耐力 / 塑性変形能力 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、高層建物を中心に普及しているパッシブ制振構造におけるダンパー取り付け部とその周辺部材に要求される性能を実験・数値解析を通して明らかにし、それらの設計方法を構築することである。初年度である平成21年度は、まず筋違型ダンパーの取り付け部であるガセットプレートを対象として、角形鋼管柱への接合方法がダンパー軸力の伝達経路や周辺部材の変形抑制に及ぼす影響について有限要素法解析を用いて検討した。この数値解析から角形鋼管にガセットプレートを取り付ける際、サイドスチフナ補強を施すとダンパー軸力に対する接合部変形が小さくなり、また周辺部材の変形抑制効果が大きくなることが分かった。特にサイドスチフナの幅を柱幅に近づけるほど、あるいは鋼管に内ダイアフラム補強を施すとこれらの効果が大きくなることを示した。 次に間柱型・壁型ダンパーの取り付け部を対象として、実在建物における取り付けディテールの調査を行った。間柱型・壁型ダンパーは柱梁架構のスパンの約1/2の幅をもつ部材が多く用いられ、その設置位置はスパン中央だけでなく、柱に近づけて設置したものが多く見られた。これらのディテールを反映したダンパー取り付け架台を有する柱梁部分架構を設計し、繰り返し載荷実験を行った。試験体は、中央に壁を配置した基準試験体に加え、壁幅を1.3倍にした壁大試験体、壁を片側に偏心配置した片側偏在試験体、上下層で異なる側に偏心配置した逆対称偏在試験体、および従来の柱梁ラーメン架構試験体の計5体である。実験では壁型ダンパーの減衰力を架台に取り付けた小型のオイルジャッキにより再現する載荷方法を計画した。これらの実験から架構の塑性変形がダンパー取り付け部である架台部分を除いた梁端部に集中することが確認でき、壁型ダンパーを取り付けた際の問題点を把握した。
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